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患者さんの声
次に扁摘パルスの患者満足度に関して以下の結果が得られました。大変満足76名、満足64名で両者を合わせると全体の70%になりました。
IgA腎症に対する他の治療で患者さんの満足度を調べた報告は他の治療はない(「腎臓病の治療」では概して患者さんの満足度という視点が欠落している)ので比較はできませんが、おそらく扁摘パルスは満足度の最も高い治療のひとつであると思います。
結果別に満足度を見ると、寛解に至った患者さん94名中85名(90.4%)が扁摘パルスの結果に大変満足+満足であるのに対し、蛋白尿と血尿がともに残存した42例では大変満足+満足はわずか13例(30%)にとどまりました。つまり、扁摘パルスで寛解になるかならないかが「治療の満足度」を決定する重要な因子であると言えます。 一方、蛋白尿、血尿が残ってもやや不満+不満が15例(35.7%)であったのは、寛解にならなくとも明らかな改善はあった症例が少なくないことを示唆しています。
次に、パルスの方法ですが3週連続の仙台方式が115名(57.5%)で、1〜2カ月に一度の3回(イタリア方式)が29人(14.5%)でした。イタリア方式の患者さんの数が少なく、また、二つ治療群ではまた患者さんの背景が異なる可能性が高いため単純な比較はできませんが、寛解率は仙台方式が115名中62名(53.9%)、イタリア方式が29名中13名(44.8%)でした。満足度では大変満足+満足が仙台方式では86名(74.8%)、イタリア方式では19名(65.5%)でした。
扁摘パルスで辛かったこととして術後の痛みがつらいと感じた患者さんは119名、パルスが辛いと感じた患者さんは95名でした。つまり、「扁摘パルスは半数余りが辛いと感じるが結果には70%が満足する治療である」ということが言えそうです。また、患者さんの高い満足度を得るためには確実に寛解を目指すことのできる早期の段階に実施することが重要であるということも言えると思います。
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